(平成28年2月12日)不適切事案に対する現地確認(第4回)

 平成27年6月30日に中国電力から連絡を受けた島根原子力発電所における低レベル放射性廃棄物のモルタル充填に用いる流量計問題については、平成27年8月5日の原子力規制委員会で「保安規定違反(監視)」と判定され、原子力規制委員会は年4回行われる保安検査において、安全文化醸成活動も含め中国電力の行う改善措置の状況を監視していくとされています。
 平成28年2月3日に開催された原子力規制委員会において、平成27年度第3四半期の保安検査結果が報告され、本事案に係る監視状況が公表されたことから、国の指導・監督状況について聞き取りを行うとともに、中国電力の再発防止対策の実施状況等を確認するため、安全協定に基づく現地確認(第4回)を米子市及び境港市と合同で実施しました。

(参考)事案の概要

1 日時

平成28年2月12日(金)10:00から16:55


2 場所

島根原子力発電所(島根県松江市鹿島町片句654-1)


3 確認者

【鳥取県】原子力安全対策課職員3名
【米子市】防災安全課職員1名
【境港市】自治防災課職員1名


4 確認事項

中国電力から関係書類の提示を求め、再発防止対策の実施状況(H28.1.末時点)等を確認した。

項 目 再発防止対策 主な確認内容
業務管理のしくみの改善
EAM※点検計画表の管理対象としていなかった機器の点検計画管理方法の改善(見える化)
・点検計画実績管理表が未作成の3機器について、同計画が作成されたことを確認した。
・EAMで管理していない機器が抽出され、今後、EAM管理対象とする機器が選定されたことを確認した。
固型化設備稼働前の確認プロセスの改善
・充填固化体の製作前(固型化設備の稼働前)に必要な機器の点検・校正が終了していることを確認するよう手順書が改正されたことを確認した。
・他設備への水平展開として、4設備についてホールドポイントが設定されたことを確認した。
業務に即した手順への見直し
・固型化設備の管理記録は、設備稼働前に作成するとともに点検の有効期限を明記するよう手順書が改正されたことを確認した。
・他設備への水平展開として、31文書が抽出され、うち21文書が改正されたことを確認した。
業務運営の改善 管理者によるマネジメントの改善
・管理者責務に関する研修が実施されたことを確認した。
・管理者の責務に係る自己評価が実施されたことを確認した。
内部牽制の強化につながる管理方法の改善 ・管理方法の強化策が取り込まれた「官庁関係申請等管理手順書」が改訂されたことを確認した。
意識面(不正をしない、原子力安全文化)の取り組みの改善
今回の不正事案の事例研修を実施 ・本事案の事例研修が実施されたことを確認した。
「地域に対し一人ひとりが約束を果たし続ける意識」をさらに向上させるための取り組み
・コンプライアンス行動基準が策定されたことを確認した。
・お客様視点の価値観を認識する機会の拡大施策が検討されたことを確認した。
適切な発注業務管理の推進 ・請負者に対する適切な受注業務への要請文書が発出されたことを確認した。

※EAM:原子力発電所の設備に対する保全計画・実施・結果に係る情報を統合的に管理するシステム

5 参考